分かりにく〜いUSCIS (移民局)の申請にかかる時間、Processing Timeについて説明します。
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アメリカのいみぐれ事情です
10.06.2023
I-485 AOS Processing Time
10.05.2023
I-140 Processing Time
LIN: Nebraska Service CenterSRC: Texas Service CenterEAC: Vermont Service CenterWAC: California Service Center
承認待ちの申請書が通常の申請時間の範囲を超えているとみなされた場合はUSCISに問い合わせることができます。それを確認するためのツールがこちらなのですが、先ほど2ヶ月半の申請時間となっていたものの、こちらのツールによると今現在の8月末から4月末まで遡らないと、問い合わせてOKとなりませんでした。もちろん2ヶ月半で結果が出ることもあるんでしょうが、経験上、現在の申請時間は2ヶ月半よりも4ヶ月と見たほうが良いかと思います。
PERM Processing Time - DOLの申請時間
PERM / Labor Certification
❶ Prevailing Wage Determinationにかかる時間(DOL)PERMの申請手続きの一部にPrevailing Wage Applicationという書類があります。簡単に言えば、職種・勤務地・経験レベル等に基づいて、そのポジションにいくら以上の賃金が支払われるべきかが決まる書類です。申請書を出してから、過去3ヶ月で結果が出る時もあれば、長くて8ヶ月くらいかかることもありました。今現在はこちらのページで確認できます。
DOL FLAG System: https://flag.dol.gov/processingtimes
こちらは2023年7月末にアップデートされた情報ですが、現在2023年1月に提出されたもののPrevailing Wage Determination(PWD)が出されています*。Processing Timeは約6ヶ月ということになります。ただこちらのページ毎月更新されるわけではないので多少のズレはあります。*FLC Data Centerの賃金データを使わず他のWage Surgeyを使った場合は右の欄参照
この他にもPERMには提出前に様々なステップがあるので、PERMのプロセス開始から提出に至るまで、場合にもよりますが最低でもPWDにかかる時間プラス1−3ヶ月は見たほうが良いかと思います。
❷ PERM Application(ETA Form 9089)の申請時間(DOL)PERMをDOLに提出してから承認がおりる(Certifyされる)までかかる時間です。上記と同じくFLAG Systemから確認できます。DOL FLAG System: https://flag.dol.gov/processingtimes
2022年9月に提出したPERM Applicationが今承認がおりているところ(2023年7月末更新)なので10ヶ月近くかかっているようです。5-6ヶ月という時期もあったので、現在は大分待ち時間が長いですね。運悪く監査(Audit)に引っかかってしまうとさらに3ヶ月ほどかかっています。
Certified PERMが届いたら次は移民局(USCIS)を通してのI-140の手続きに進みます。次のページではUSCISのProcessing Timeについて書きます!
会社スポンサーのグリーンカード
米シリコンバレーにてビザ・グリーンカード関連の仕事を始めて10年。最近の米イミグレ事情やお役に立ちそうな様々なシナリオをご紹介していけたらと思います。
まずは会社スポンサーの永住権の取り方について簡単にお話します。
会社スポンサーの永住権(グリーンカード)
アメリカで働くにはH-1BやL-1などのビザ(非移民ビザ)が必要となりますが、H-1Bは6年間、L-1は5年又は7年の期限付きです。会社としてグリーンカードをスポンサーしてあげれば、貴重な人材である優秀な外国人労働者をを期限なしで雇うことができます。会社がグリーンカードをスポンサーするのには、まずアメリカの労働省(Department of Labor、通称DOL) の審査を通過し、その後移民局(U.S. Citizenship & Immigration Services、通称USCIS)を通していくつか申請書を提出しますが、大きく下記の3つのステップに分かれます。*2023年8月現在の情報です。
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❶ PERM / Labor Certification Application (労働証明書の申請)
アメリカの労働省(DOL)には、アメリカ国民の雇用を守る義務があります。外国人労働者が増えてアメリカ人の仕事がなくなってしまうと困るからです。そのため、スポンサー会社は、労働省のガイドラインに沿って募集記事を出し、結果、条件を満たすアメリカ人労働者はいませんでした、とこの申請書上で証明します。その他、賃金に関する書類(Prevailing Wage Application)などのプロセスも含め、申請書提出までに最低7−8ヶ月*程かかります。(*2023年8月現在、会社・職種・時期によっても大分左右されます。)現在はPERMの申請書を提出してから認可されるまで約10ヶ月程かかっています。運悪く労働省の監査(Audit)に引っかかるとさらに3ヶ月かかります。
❷ I-140 Immigrant Visa Petition (移民ビザ申請)
労働省から①の労働証明書の認可(Certified PERM)がおりると、次はアメリカの移民局(USCIS)にI-140申請書(移民ビザ申請書)を提出します。ここでは①の労働証明書に記載された仕事の応募資格に対する、申請者の学歴や実務経験の証明書類や、会社の財政能力の証明書類などを提出します。2023年夏現在は申請時間は約4,5ヶ月ですが、ラッシュ申請の場合は2,3週間で結果が出ます。
❸ I-485 Adjustment of Status Applications (非移民ビザ⇒永住者のステータス変更)
最後にH-1BやL-1ビザなどの非移民ビザから永住者になるためのI-485申請をします。ここで初めて個人の細かい経歴調査がされます。家族の情報、両親の情報、過去数年の住所や仕事の情報、などを申請書に記入し、本人・家族の出生証明書(戸籍謄本)のコピー、パスポート(全てのページ)コピーなど様々な書類を提出します。又I-485を提出してから認可されるまでの期間に労働許可と再入国許可がもらえる、I-765 Employment Authorization、I-131 Advance Parole も付随して提出します。通常1ヶ月ほどで指紋採取の通知が届き、指定された日時に近くの移民局に出向き、指紋採取を行います。そして全ての審査が終了後グリーンカードが届きます。I-485の申請時間は場所や人によって大分変わりますが大体1−2年かかります。
場合によっては②と③の同時申請が可能です。こちらは移民ビザの種類(EB-2、EB-3など)や出生国によって変わります。日本生まれの場合は同時進行が可能なことが多いです。
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10年近くかけて永住権を手に入れるインド人なども多く、日本人は約2-3年で取れてしまうのでありがたいですね。


